■リン酸塩を使わない原料すりみについて

的にも、安全性という面では何も心配していただく必要はないのですが、多くの加工食品に含まれているリン酸塩が生協をはじめとする流通業界の皆様には敬遠される場合が多くなっているようです。
しかしながら、保存性、品質の維持という面では、リン酸塩を0.2%程度添加した「無塩すりみ」が世界的に生産されている冷凍すりみの主流となっています。
現在、リン酸塩を含まないすりみとしては「ムリンすりみ」「加塩すりみ」の2種類をあげることができます。
その殆どが、受注生産であるため、かまぼこ生産者側からいうと、価格的には不利な条件で購入せざるをえないのが現状です。
しかも、リン酸塩を含まないすりみを製造するためには、ラインをいったん停止し、製造の前後ですべて洗浄しなければならないなどの手間がかかり、コスト的にも同じクラスのすり身ですと「無塩すりみ」の`20円高という原料価格の相場となっています。
現在、当組合で使用している「ムリンすりみ」「加塩すりみ」はすべて完全予約制(契約制)をとっております。
このすりみに関しては年2回のシーズン制をとっております(漁業資源の保護という意味から)ので、だいたい以下のスケジュールで契約をしております。
予約数量決定期限 原料入荷日 使用期間
Aシーズン 1月20日ごろ 4月上旬から下旬 4月から10月
Bシーズン 7月10日ごろ 10月中旬から下旬 11月から3月
製造予約している等級は舞鶴ではSAクラス(最高級ランク)ですが、その年の海域の状況や魚体の産卵時期のずれなどからSAクラスがどうしても製造できない場合もあり、そのときは一ランク落としたFAクラスとなる場合もあります。
先ほども申しましたとおり、これらのすりみについては、入荷前後に価格交渉をいたしますので、新商品を開発した場合も、先の原価計算はなかなかリスキーなものがあります。
 ただ、製品にしてしまうと、こうした価格のハンディは認めてもらえず、生産者としても、苦労してやりくりしているのが現状です。
安心、安全にはそれなりのコスト負担を.....と申し上げたいのが本音ですが、末端の消費者を抱える流通業界の方にも、難しい面があると思っています。
 ただ、一般生産者は使用していない関係で、転売もできませんので、これは生産者のリスクで全量買取りという形にしております。(約半年分の在庫)
ですから、こうした安全な商品の製造を安定化させるためにも、販売計画をたてていただき、安定したご注文がいただけると非常にありがたいのです。