コチニール色素ってどんな色素ですか?何からできているのですか?

コチニール虫=「えんじ虫」(ラックカイガラムシ)という昆虫が原料になっています。よく昆虫が原料と聞いただけで嫌がる人がおられますが、昆虫を主食にしている民族もいるくらい、世界には安全な食品が多いのだということはわかっていただきたいと思います。
コチニール虫はサボテンの表面に生息しています。特にウチワサボテン属ベコニイチジク<オプンティオ コクシニフェラ><オプンティオ ツナ>というサボテンだけに生息します。
主要産地 中南米のペルー、エクアドル、チリ、メキシコが主要な産地で、他にケニア、西インド諸島、カナリア諸島、スペインなどで産します。
生産方法 コチニールのメスにしか色素は含まれません。 雨季が終わったら他の場所で飼育していたコチニール虫のメスをサボテンの上にのせます。するとすぐに卵を生み始めます。卵からかえった幼虫はサボテンを繭のような糸を出して覆い始めます。コチニール虫はオスの数が極めて少なく、メスは卵をもつと2倍に膨らみます。 そのメスが卵を生む前、人間が手で刷毛を使ってかき集め、熱湯で煮沸した後、天日で乾燥させたものが原料となります。
乾燥したコチニールを水やエタノールで抽出したものがコチニール色素となります。
主成分 主成分はカルミン酸というもので、橙色〜赤紫色をしています。
色調 中性溶液で赤色、酸性溶液では橙色、アルカリ性溶液で赤紫色になります。あまりはっきりとした色でなく、ややボケた色です。